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木造防音と吸音材・工法2020.05.12 Tuesday
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木造住宅の工法は「ツーバイ工法」と「軸組み在来工法」に大別されます。前者はプラットフォーム工法とも呼ばれ、床のベースパネルの上に壁を構築する工法のため、リフォームなどの際に床を丸ごと解体すると壁も壊れるなど制約があります。
防音対策上の大きな相違点は、前者は壁と床が共振しやすく、新築時においても床下や壁のパネル内部に吸音材を入れるのが難しいため、防音効果を向上させるには、新たに防音壁をふかして二重構造にしなければならないという事です。
その分、防音構造が厚くなります。
それに対して、軸組在来工法は、新築時でもリフォームでも壁や床下内部に吸音材を入れるのは比較的容易です。このため、比較的薄い防音構造でも同等以上の遮音性能を確保できます。
また、軸組在来工法は間取り変更や構造的な補強が施しやすいため、リフォームによる防音対策が比較的容易です。
以上の点を考慮して生活防音を重視する場合は、工法上の制約を理解した上で新築計画やリフォーム計画を検討する必要があります。
なお、1階床の構造的補強は、隣室に床下点検口があればもぐって床の束増設が出来ますので、ツーバイ工法でも可能です。
木造住宅は、いずれの工法も床下換気や外壁内の通気は、建物寿命を伸ばすために重要であり、木造の構造的特徴を活かすことが、防音工事においても不可欠です。
通気・換気機能を確保した上で、防音構造を構築できるのが木造の特長であると言えると思います。