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防音材選定の難しさ2020.02.14 Friday
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約10年前に比べて市販の防音材製品の数そのものは増えています。
問題は、どの製品がどのような音に対して有効なのかがよく分からない、実例が少ないことだと思います。
これに対して、防音職人ウェブサイトに掲載している防音材は実例で効果を計測済みであり、多様な組み合わせごとに計測して検証したり、施主に体感していただいています。
このような作業の繰り返しによって、約25年間かけて選んだのが、現在掲載している製品です。
一般的な通販サイトでは類似品が数多く並んでいますが、具体的な現場での実測値が殆ど表示されていません。
実例の体験者の報告も少なく、信頼性が判断できません。
先日、防音相談において、遠方から私の仕事場に相談にお出でになった人が持参した制振材は、どれも効果がなかったそうです。
一つ一つ触ってみると、素材がいくつかに分類できました。
*大半が軽量音対策の製品であり、重量音には効果のない製品でした。
疾病と同じで、処方が間違っていれば、当然、防音効果は余り出ません。そのような事例は数多くあります。防音材サイトのユーザーの声には偽物が多くまぎれており、これらの多くはサクラです。
製品販売業者のスタッフなどが投稿した声、ステマなど信用できるはずがありません。
ですが、一般ユーザーには見分けることができません。
これが現状の防音材選定の難しさの主な理由です。建築士でさえ、防音材サイトの記述を鵜呑みにしている状況ですから、彼らの提案も信用できません。
実践的経験や防音設計の実務が豊富な技術者でないと問題点を見破れないのが実情です。さらに重要なのは良質な防音材を入手できても正しい施工要領がないと適切な施工そのものが出来ないという事実です。