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住宅の防音設計実例が少ない2020.01.24 Friday
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木造住宅(共同住宅・併用住宅を含む)やマンションの防音設計は、工法や構造によって内容が多岐にわたるため、防音設計のマニュアルとして最新版が出ていません。
ネット上にも実例が少なく、新しい情報は更に少ないです。
このため、防音職人のウェブサイトには地方の現場を担当する建築士からも問合せや依頼があります。彼らが言うには、古い遮音設計マニュアルは存在するが、最近の工法や木造住宅の実例に基づく設計図書が見つからないということです。
私も色々と調べましたが、情報が分散しており、何がオリジナルの情報なのかが分かりません。おそらく、実例が掲載されていないので運営者の実体験ではなく、何かのコピーだと思います。
私の場合は次のページに示すように多面的な資料や実体験をもとに防音設計を確立しています。
→ページの中段以降の説明をご覧ください:防音の検討スキーム
また、自宅マンションで25年以上に渡って自宅を実験台にして防音効果を体感しています。防音材などの経年変化も見ています。
本業の木造防音室では取引先に音測定調査を外注したり、工事を担当する提携先の建築士に施主からのヒアリングを重視するように指示しています。
人間の耳は個人差があるので、音に対する体感は出来るだけ多くの事例を分析しないと防音設計の資料にはなりません。実例が少ないと設計仕様や工法に反映させることが出来ないのです。
概ね、以上の概要が「住宅の防音設計」の難しいところだと思います。
ちなみに、コンクリート構造の防音スタジオや音楽ホールの実例は沢山あるので、比較的勉強しやすい分野です。専門書も沢山あります。