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ある遮音パネルの事例2019.11.19 Tuesday
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ある上場企業の遮音パネル(防音材)の測定データ改ざんの事例です。
この企業は鉛のシートとボードを貼り合せた遮音パネルを使って防音工事や販売事業を行っていますが、当初は正直に測定データ(周波数ごとの透過損失)を自社のホームページに掲載していました。
ところが、その製品の弱点を私が指摘したり、ブログなどで投稿したとたん、弱点である低い周波数帯と高い周波数帯のデータを削除し隠しました。そして、その後、該当する周波数帯の遮音データを直線的に右肩上がりのグラフに書き直してしまい、データを改ざんしました。
実態は、石膏ボードの持つコインシデンスなど弱点を解消できない遮音パネルだったわけですが、そうすると鉛の製品そのものが費用対効果が低いことを自ら認めてしまうことになるので、都合の悪いか所を削除したり、誤魔化したのです。
この事実を知らないで購入して、防音工事で使用した、ある木造ピアノ防音室の施主から相談があり、このことを伝えましたら、かなり失望されていました。音響が大幅に悪化しただけでなく、音漏れが酷い状況になったということです。
この遮音パネルは工法的にも問題があり、つなぎ目から高い周波数の音が漏れるので、ピアノの周波数帯とかぶるため、音漏れが顕著になります。※人間の耳は高い周波数帯の音がよく聴こえる。
その後、上記の企業は、アスファルトシートと石膏ボードを重ねた後発の遮音パネルを販売し始めましたが、つなぎ目からの音漏れは改善されていません。
これは遮音パネル工法の共通した弱点です。