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該当する防音工事の実例2018.10.23 Tuesday
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相談者によく言われるのが、マンションの天井防音工事の実例が殆どないということです。
実例がネット上に出てこないのは、防音工事の事例がないのではなく、成功した天井防音の現場が極めて少ないことを意味しています。成功実績のない専門業者には無理だということです。
見積金額もばらつきがあり、業者によって大分差があるのは、設計仕様と使用する防音材の差です。
簡易的にグラスウールや遮音パネルを張り付けるだけの工事では殆ど防音効果は期待できません。
そんな甘い対策では無理です。
*参考:防音課題と分析(天井防音など)
例えば、マンションの上階界からの足音など重量音は、主成分が250Hz以下の周波数帯の音であり、過半が低周波(100Hz以下)騒音です。天井裏の空気層の共振や拡散する重量音が天井ボードや遮音パネルを透過してきます。
軸組下地からの固体音(軽量衝撃音を含む)も伝わります。
空気音と固体音の2種類の経路から伝播する騒音が複合されて階下などに響くので、防音対策は複雑になります。
しかも、大震災以降、天井スラブへのインサート増設は禁じられていますので、衝撃音の遮断には天井スラブとの接点をなくす工法が必要です。難易度が高いので、東京の専門業者でも敬遠します。
マンションと木造住宅には完全防音はあり得ません。出来ると謳っている業者は誇大広告です。
まずは、具体的な防音相談を依頼して提案書を提示してもらうことが必要です。設計仕様を見れば業者の実力は分かります。