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木造住宅の防音室の費用対効果2017.08.18 Friday
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大手住宅メーカーなどの音響・防音仕様を見ると、大半が遮音材にシフトした過重量な対策です。
その割には、隙間から遮音欠損したり、固体伝播音(ピアノやチェロなどの振動音)が住宅内だけでなく、戸外に大幅に漏れたりします。
費用対効果から見れば、かなり無駄があるアンバランスな設計・施工です。
厚さ20センチ以上の防音界壁からの音漏れの現状を見ると、天井付近や床下から音漏れしていたり、壁内部の吸音材の性能不足によって防音効果が低い防音室もあります。
これらは、みな木造住宅の構造的な弱点や利点をあまり考慮しないで設計することや、施工要領が間違っている現場もあります。
大手住宅メーカーは施工を担当する代理店や下請けに丸投げに近く、現場でのチェックや指導をしていません。あくまで金太郎飴のような設計図を渡して防音工事を進めるだけです。
木造住宅の音楽室など防音室の費用対効果や耐久性は、木造の特性を生かすことで高まるものです。
既製品を単純に張り付ければ実現できるものではなく、快適な音響も木製品を重視することで得られます。
間違っても鉛パネルやALCで防音室を造ってはだめです。
木造建築の音響・防音設計のマニュアルが存在しない、既製品の費用対効果が低いなど業界全体の問題がある中で、木造住宅の防音室は高い買い物になっているようです。
*参考:木造住宅・防音室の事例