「マンションの床や天井の防音性能に梁は関係ない」という建築士が自称専門家として、マンションの騒音対策の留意点に言及しています。
これは間違いです。固体伝播音の経路・共振、重量衝撃音の特性や周波数について無知だから、このようなことを言います。
梁の位置と区画面積により、床スラブの剛性は左右されますし、梁自体がGL工法や軽鉄・木軸組に囲まれていたら、重量音の共振体として作用するからです。
上記のような建築士は、二重天井自体が重量衝撃音の共振体になってしまうリスクそのものを知りませんので、大半は軽量衝撃音の対策しか語れません。しかも防振ゴム支持脚による二重床のシステムが軽量音対策であることや、重量衝撃音にはマイナスに作用することも知りません。
中途半端な知識をネット上で振り回すと、多くの人が混乱し、誤った情報を拡散してしまうリスクがあります。
現在のマンションが抱える構造的な弱点や建築士の無知が、生活騒音の問題を複雑化しています。
また、可聴域の低周波騒音がマンションにおいても身近な存在であることを認識しなければなりません。
ちなみに、適正な防音材を施工するのであれば、現在の二重床よりも在来の軸組み工法のほうが、重量衝撃音には有効です。
*ということはグランドピアノ防音室にも共通する話ですね。