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住宅の防音設計と素材の適性2015.09.16 Wednesday
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住宅の防音設計では、固体音と空気音の特性を考慮して、軸組や内装構造を工夫するとともに、適所に防音材を生かすことが重要です。面密度の大きな遮音材が必ずしも固体音の遮断・軽減に有効とは限らず、製品や素材の適性を見極めることが費用対効果を大きく左右します。
たとえば、面密度が大きい遮音材である鉛のシートは、固体音の遮断・抑制にはほとんど効果がなく、面密度の大きさが制振効果の大きさに比例しない典型例です。
*マンションのGL壁に鉛のシートと石膏ボードを重ねても、振動音など固体音を減らすことはほとんど出来ません。
コンクリート躯体に軽量鉄骨の軸組を直接施工した内装構造は、非常に振動音を伝えやすく、GL工法の界壁と同様に生活騒音を増幅してしまいます。
このような素材は、音を絶縁する制振材、軽減する防振ゴム(遮音ゴム)を併用しないと、一般住宅では固体音を防音することは現実的に無理です。
住宅の生活防音には、絶縁材、制振材の活用が不可欠です。
これが理解できない建築士や業者には、固体音の防音対策は無理だと考えるべきです。
*固体音:足音、床衝撃音など